ノートアプリ乗り換えで失敗しない!「同期」と「移行」の違いを知ってデータ移行の不安をなくそう
ノートアプリの乗り換えを検討されている皆様、こんにちは。
新しいノートアプリの機能や使いやすさに魅力を感じて、「そろそろ乗り換えたいな」と考えていらっしゃるかもしれません。しかし、これまで使っていた大切なノートのデータを、新しいアプリにどうやって移せば良いのか、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
データ移行と聞くと、何だか難しそう、失敗してデータが消えてしまったらどうしよう、と尻込みしてしまう気持ち、よく分かります。特に、「同期」という言葉はよく聞くけれど、「移行」とは何が違うのだろう?と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
この「同期」と「移行」の違いを正しく理解することは、ノートアプリのデータ移行をスムーズに進めるための最初の、そしてとても大切な一歩になります。
この記事では、ITツールにあまり詳しくない方や、データ移行作業に不安を感じている方向けに、「同期」と「移行」がどのように違うのか、そしてなぜノートアプリを乗り換える際に「移行」という作業が必要になるのかを、専門用語を使わずに分かりやすく解説します。
この違いを理解することで、データ移行に対する漠然とした不安が減り、「自分にもできそうだ」と思っていただけることを目指します。
「同期」とは何でしょうか?
まずは「同期」について考えてみましょう。ノートアプリの世界で「同期」という言葉が出てきたら、それは主に「複数の場所で、常に同じ状態にしておくこと」をイメージしてください。
例えば、皆さんが使っているノートアプリが「同期」に対応している場合、スマートフォンで作成したノートが、すぐにパソコンやタブレットでも見られるようになります。そして、パソコンで編集した内容が、またすぐにスマートフォンにも反映されます。
これは、ノートアプリの提供会社が管理するインターネット上の保管場所(これを「クラウド」と呼ぶことがあります)に、皆さんのノートデータがまとめて置かれており、各デバイス(スマホ、PCなど)がその「クラウド」にある最新のデータを常に確認し、自分自身のデータを同じ状態に保つようにしているためです。
つまり、「同期」の目的は、同じノートアプリや同じサービス内で、どのデバイスからでも最新のノートにアクセスできるようにすることです。これは、データの「共有」や「連携」に近い機能と言えます。
では、「移行」とは何でしょうか?
次に「移行」についてです。「移行」とは、文字通り「ある場所から別の場所へデータを移すこと」です。ノートアプリの乗り換えにおいては、「今使っているノートアプリから、別の新しいノートアプリへ、ノートのデータを引っ越しさせること」を指します。
例えるなら、「同期」が「自宅(クラウド)にあるノートを、スマホやPCという『支店』で常に見られるようにしておくこと」だとすれば、「移行」は「今住んでいる家(古いノートアプリ)から、全く別の新しい家(新しいノートアプリ)へ、荷物(ノートデータ)を運び出すこと」に似ています。
この「移行」という作業には、主に二つのステップがあります。
- エクスポート(運び出す): 今まで使っていたノートアプリから、ノートのデータをファイルとして「取り出す」「書き出す」作業です。大切な荷物を段ボール箱に詰めるようなものです。
- インポート(運び入れる): 新しいノートアプリに、エクスポートで取り出したファイルを「読み込ませる」「取り込む」作業です。新しい家に段ボール箱を開けて荷物を運び入れるようなものです。
これらのステップを経て、古いノートアプリにあったデータが、新しいノートアプリでも使えるようになるのです。
「同期」だけでは、なぜ新しいアプリにデータが移らないのでしょうか?
ここで、「同期」を理解した方から、「でも、今のノートアプリは同期しているから、データはクラウドにあるんですよね?だったら、新しいアプリでもそのクラウドを見に行けば、データは自動的に移るんじゃないの?」という疑問が出るかもしれません。
しかし、残念ながらそうはなりません。
なぜなら、ノートアプリの「同期」は、そのアプリの提供会社が定めたルールや仕組みの上でしか機能しないからです。例えるなら、それぞれのノートアプリが独自の「倉庫」を持っていて、その倉庫の中でしか荷物(データ)の整理や出し入れができないようなものです。
アプリAの同期機能は、アプリAの倉庫にあるデータをアプリAのルールで各デバイスに配っています。アプリBは、アプリB独自の倉庫とルールを持っています。アプリBは、アプリAの倉庫に直接アクセスしてデータを取り出すことは基本的にできません。
そのため、アプリAからアプリBへデータを移すには、アプリAの倉庫から一旦データを取り出し(エクスポート)、そのデータ形式をアプリBが理解できるようにして、アプリBの倉庫に運び入れる(インポート)という「移行」の作業が必要になるのです。
ノートアプリのデータ移行が必要なのは、こんな時
「同期」と「移行」の違いが分かったところで、具体的にどのような場合にデータ移行が必要になるのかを確認しましょう。
これは、現在使っているノートアプリから、全く別の種類のノートアプリに完全に乗り換えたい場合です。
例えば、
- EvernoteからOneNoteに乗り換えたい
- SimplenoteからStandard Notesに乗り換えたい
- 特定のメーカーが提供するノートアプリから、別の会社のノートアプリに替えたい
といったケースです。
もし、同じノートアプリの無料版から有料版に切り替えたり、古いバージョンのアプリを新しいバージョンにアップデートしたり、単に新しいデバイスで今使っているノートアプリを使えるようにしたい、という場合は、「同期」の機能を使うだけで対応できることがほとんどです。この場合は、原則として「データ移行」という特別な作業は必要ありません。
まとめ:「同期」と「移行」の違いを理解して、乗り換えの第一歩を踏み出しましょう
この記事では、ノートアプリのデータ移行を始める上で大切な、「同期」と「移行」の違いについて解説しました。
- 同期: 同じサービス内で、複数のデバイスで常に同じノートを見たり編集したりするための仕組み(共有、連携)
- 移行: あるノートアプリから、全く別の新しいノートアプリへ、データを丸ごと引っ越しさせる作業(運び出しと運び入れ)
この二つは全く異なる目的の機能です。
「同期」機能があるからといって、別のノートアプリにデータが自動で移るわけではありません。新しいノートアプリに乗り換える際は、基本的に「移行」という作業が必要になる、ということをご理解いただけたかと思います。
データ移行は、初めて行う方にとっては少し手間がかかる作業かもしれません。しかし、この「同期」と「移行」の違いという基礎を理解しておけば、なぜエクスポートやインポートが必要なのか、という理由が分かり、その後の具体的な手順も理解しやすくなります。
データ移行の具体的な手順や、失敗しないための注意点については、別の記事で詳しく解説していきますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください。
まずは、今回の記事で「同期」と「移行」の違いをしっかり頭に入れていただき、ノートアプリの乗り換えに向けた第一歩を踏み出していただければ幸いです。